●時間とは-スポットライト理論

2016/5/18

 

スポットライトイメージ

  

いろいろな本を読んで自分なりに出した結論が、「時間には2種類あるのではないか?」ということ。

1つ目の時間はいわゆる我々が日常感じている感覚-過去・現在・未来という時間だ。

そして2つ目の時間は、宇宙が生まれてから「この世」の理である「覆水盆に返らず」という因果律である。それはエントロピー増大の法則(熱力学第二法則)または、時間の矢とも呼ばれる。

1つ目の時間から説明していく。

時間をはかるものとして、星の周期、放射性炭素の半減期、水晶の振動数などいろいろあるが、どれも人類が自分たちの都合のよいように作り出した物差しだといえる。

果たして時間は人間が作り出した幻想なのか? それとも実在するのか?

マサチューセッツ工科大学のブラッドフォード・スコウ博士は、スポットライト理論を提唱している。簡単に言うと時間は流れているのではなく、「過去・現在・未来」は同じステージ上に広がっており、そこにスポットライトが当たり、過去から現在へ、現在から未来へ・・・とスポットライトの移動してく様が、時間が経過しているように見えるというのだ。さらにある出来事が過去になるという現象は間違いであり、「過去・現在・未来」は同時に存在し、子供や大人の私たちもすべて同時に存在しているという。

スポットライト理論
スポットライト理論

 

「過去・現在・未来」という時間感覚が幻想で、それが同時に存在するならば、次のように言うこともできるだろう。

ビッグバンから宇宙の終わりまでのすべての時間(可能性)は同時に存在する。過去に戻れないのは、スポットライトが過去から現在に移動したからで、単に「過去」という物に触れる事が出来なくなってしまっただけなのだ。この考え方はアインシュタインのいう固有時間と同一で相対性理論とも矛盾しない。

 

相対性理論は時間と空間の対称性を認めている。時間は原理的には空間と同じ性質で、過去から未来へという一方向だけでなく、未来から過去へという対称性を持っている。つまり過去が未来を規定すると同様に、未来が過去を規定するのだ。

 

だがこれは明らかに因果律やエントロピーの矢と矛盾する。

 

次回は2つ目の時間について考えていく。